●宝石プロフィール

 

今から二百万年以上も前に、
現在では絶滅した針葉樹の樹脂(ヤニ)が、
樹木から流れ出し、
それが土の中で堆積し、化石化したもので、
他の鉱石とは全く異なります。

鉱石にはない、
樹脂独特の柔らかさと温かみを持った宝石で、
手にとって触れると、
その温かい感触が私達を癒してくれます。


樹木の樹液であるため、とても軽く、
火にくべると黄色い炎をあげ、
芳香を漂わせてあっという間に燃え尽きてしまいます。
そのため、ドイツでは琥珀のことを「燃える石」と呼び、
その昔、燃料や香料として炊いていました。

東洋では魔よけとして、
また、鎮静効果と殺菌効果を出すために、
出産のときなどに燃やされていました。


また、この石は摩擦すると電気を帯びる性質があり、
ギリシャで発見されてからは
琥珀のことを「エレクトロン」と呼んでいました。

「電気」を意味する英語の「エレクトリック」は
ここから由来しているそうです。


また
二百万年以上も前の針葉樹の樹液は、
時折、その時代の植物や昆虫さえも
閉じ込めていることがあります。
自然が作った標本。


映画「ジュラシックパーク」では、
琥珀の中に閉じ込められた
昆虫から、DNAを採取し、生き返らせた
なんてシーンがありましたが、
実際にそういうことができるのか?は不明です。

 

 
 
 
 

●宝石ストーリー

 
 

ギリシャ神話では、アポロンの息子パエトンが、
父にねだって火の戦車「太陽」を運転させてもらった際、
腕が未熟だったため、
戦車をひいていた天馬が暴れだし、
地上へとつっこみそうになった瞬間、
アポロンは雷をとどろかせて、
戦車もろとも息子を川へと落としたのです。

それを見てパエトンの妹たちは嘆き悲しみ、
そのままポプラの木へと姿を変えました。

姿を変えても涙を流し続け、
やがてそれが琥珀になった、とされています。

 

日本にも古くから登場する石で、
太陽神天照大神(あまてらすおおみかみ)の
霊石とされていて、
神の分霊(みわけたま)が宿る宝石と
されていました。

 

中国では、
虎の魂が琥珀になった…という伝説があり、
実際に「虎珀」と書いていたこともあるそうです。

ちなみに
漢和辞典で「琥」という漢字をひいてみたら、
1、 虎の形をした玉(多分、中国で「玉」といえばヒスイのこと)の器。
2、虎の皮の模様を刻んだ玉製のわりふ。兵を徴発するときに使う。
…という意味があるようです。


そういえば、「虎」で思い出しましたが、
「サンボ」という少年と、「虎」が出てくる絵本の中では、
虎が一本の木をぐるぐると回っていくうちに、
バターになってしまいましたが、

中国では、虎の魂は、「琥(虎)珀」になり、
肉体?は、虎の形をした玉
「玉(ヒスイ)」になってしまうのかもしれません。

 

そんなふうに
琥珀は昔から、
東西の洋を問わず、
「太陽のエネルギーを凝縮した宝石」として
大切に扱われてきました。


太陽のエネルギーを秘めた、
古代の樹液。

ひんやりとした無機物の多くの鉱物とは違い
有機物が持つあたたかさを持つ宝石
太陽の光にあたったときのようなあたたかさ
陽だまりの温かさのような
「温かみのある宝石」です。

琥珀はラビングストーン。
指で触って
その感触を楽んでください。

 
 
 

●癒しと活用法

 
 

琥珀はラビングストーン。
指で触ってその感触を楽しむ宝石です。

鉱石にはない、樹脂独特の柔らかさと
温かみを持った宝石なので、
手にとって触れると、
その温かい感触が私達を癒してくれます。


それは、暖かくよく晴れた日に干した
「お布団」が、
沢山の太陽の光を浴びて、
ふかふかになった時の温かさにも、
似ています。


降り注ぐ太陽の光
太陽のエネルギーを凝縮した宝石。

春の陽気の、ぽかぽかとした天気の日に、
野原を散歩するときの、あの穏やかな気持ち。

鳥がさえずり
道端に咲く、小さな花が風に揺れ、
蝶が舞い、
てんとう虫や
その他の小さな虫たちに出会うひととき。


そんな、のんびりとした時間を過ごせずにいる人、
琥珀のジュエリーを身に着けて、
仕事の合間にそっと指で触れてみて下さい。


きっとあなたがどこにいても、
琥珀は、
春の陽射しが降り注ぐ、
広い野原へと連れて行ってくれることでしょう。

 
 
 
 

●ジュエルメッセージ

 

「自分の心が晴れやかになること、
自分にとっての幸せを優先し、大事にしましょう。」


何かに迷ったり、悩んでいるときって
「心が曇る」と表現したりします。
それは、
本来の自分
光としての存在の自分が、隠れて見えない
自分にとっての真実、本心が明瞭でないから。


だから
それを払しょくするには、
「心が晴れる、晴れやかになる」には
どうすればいいか?
何を選択すればいいか? を
イメージして、
そちらの方を選択すればいいのです。


自分にとって
真実だったり、本心だったり
本当に求めていることは、

思いついた瞬間に
どんよりしていた空気を
一瞬で払うかのように

瞳に光が差し込んで、ぱっと輝く
ふっと、「そうだ、それだ」と、
一瞬で分かります。


また
悩んだり迷っている場合、
自分にとって損か?得か?
という、損得勘定や、

自分が基準ではなく
みんなはどう思うだろう?と
自分ではない人を基準にして
考えていたりします。


損得抜きにやりたいこと
誰かに認められなくてもやりたいこと
それが
自分にとってやりたいことであり
自分が命を使ってやること。


自分の心が晴れる
自分の心が晴れやかになるのは
自分の内側にある
生命エネルギーがあふれてくる
太陽のように輝きを放つから。


そして、それに従って生きることが
最も自分にとって幸せで
最も自分にとって大事にすること
最優先すること。
…なのです。


自分の心が晴れること
自分の心が晴れやかになることを
常に優先して選択し
自分を幸せにして大事にしましょう。

 

 

●心理的テーマ

・心を穏やかにする
・心の平和
・心に明るさを取り戻す
・やさしさや思いやりをはぐくむ
・自分にとっての幸せ
・自分主体に生きる
・太陽のように自分を輝かせる
・自分を大事にする

 

 

 

 

 

●宝石データファイル

 
 
鉱物名 アンバー (こはく)
結晶系 非晶質
化学組成 有機物の植物樹脂混合物
硬度 2.5
鉱物学的注意事項あれば 有機物なので燃えます
 
 
 
 

●お手入れ

 

柔らかい布で拭く
温泉やサウナ、プールに入る際は外す
ヘアスプレーやコロンなど、化学物質に注意する
他の宝石とは別にしてやわらかい布などでくるんで保管する

 

●その他