●宝石プロフィール
鉱物学的には、金緑石(クリソベリル)の一種で、
上面をドームのように丸く
カボッションカットにすると、
水路状、羽毛状の液体インクルージョン(内包物)や、
ルチルの針状インクルージョン(内包物)に起因して、
帯黄灰色の地に、白に近い色の横断線ができ、
まるで、猫の目のように光る宝石を
「キャッツアイ」と呼びます。
また、「クリソベリル」の名前は、
ギリシャ語で「金」を意味する「chrysos」と、
「化学成分」のベリル語「beryllos」に由来します。
日本名でいうと、猫目石。
見たままの名前がついています。
キャッツアイの色には、
緑色、帯緑黄色、褐色があり、
その中でも、最も高価なキャッツアイは、
明るい金褐色色をしていて、
「ミルクアンドハニー効果」といわれる、
明暗の影を示します。
●宝石ストーリー
キャッツアイのように、カットすると、
目のように見える宝石のことを、
アイ・ストーンといいますが、
古代の人々は、邪悪な目、
邪眼除け(※)として身につけるとともに、
これらのアイ・ストーンを身につけると、
何でも見通せるようになると畏れていたそうです。
キャッツアイは、
アジアでは、何千年も前から、
「悪魔の眼(邪眼)」から
身を守る効果の高いものとして、
高い評価を得ている宝石です。
スリランカ人は、
キャッツアイには魔人が住み、
あらゆる災難から護ってくれると信じていて、
「破産してもキャッツアイは最後まで手放すな」と、
いわれているそうです。
インドの古代の本には、
なめらかで傷のないキャッツアイは、
幸運を呼ぶ宝石として、
古代から幸運石として、
お護りによく使われていました。
エジプト人は、神々の目として、
聖なる目を表現する時に、
キャッツアイを使用していました。
さらに、古代アッシリアでは、
キャッツアイを身につけて、
祈とうを続けると、
透明人間になる(?!)と、されていたそうです。
※邪眼について
古代の人々は、
人の不幸や災難、病気は、
「魔」によってもたらされるもの
悪魔や魔神、邪霊の働き、死者の崇り、
他者の呪いなどによって、
人に作用していると考えていて、
通常、それらの「魔」は、「邪悪な眼」
「邪眼」のしわざと、考えていました。
「邪眼」は、風に潜む「魔の眼差し」とされ、
それはまた、
他者の嫉妬、中傷、悪意の眼でもありました。
古代の人々は、
嫉妬も悪意も、人間をそのように仕向ける、
「魔」のしわざと考えていたようです。
「邪眼」は、人のちょっとした気のゆるみを狙います。
そのため、古代の人々は、
常に邪眼の一撃をそらすため、
キラキラした輝くものを身に着けたり、
「眼」の模様をしたものを身に着けて、
邪眼を弾き返し、
災いを除けていたようです。
また、ジュエリーは、
身体に「邪眼除けの眼」をつけることに
始まったとも、言われています。
●癒しと活用法
キャッツアイは、
アイ・ストーンの中でも、代表的な宝石。
アイ・ストーンは、正しい目を象徴し、
思考を明晰にし、正しい判断をし、
決断する能力を与えてくれます。
誤った判断を下すのを恐れている人には、
行動する前に、
明晰な考えが持てるように手助けをして、
これからとりかかろうとしている事を、
事前に見極めてくれる手助けをしてくれます。
また、新しく、創造的な仕事に取り組むときには、
よい刺激をもたらしてくれます。
正しい判断によって、
より高い目標へ向かい、
自分にとっての幸運を掴みたい時
キャッツアイを人生の相棒として
迎え入れてみてください。
あなたが自分の道を行く際に
ガイドとなり、導き手となり
エネルギーをキャッチする媒体として
様々な力を発揮してくれます。
●ジュエルメッセージ
「猫のように、自分主体、自分中心に生きましょう。
世界の中心は自分であり、自分が世界を創っています。」
自分より人のことを考えて
自分より人のことを優先する人がいますが
その心の奥には、
人のことを優先して手助けすることで
いい人だと思われたい
いい人になることで、人に好かれたい
愛されたい
他人軸で
自分の存在を証明したい
自分の価値を見いだしたい
…という補償行為から
人に尽くしてしまう人がいます。
でもそれは、
本当の意味で
人に優しくしたい
思いやりや、
まごころからくるものではありません。
だから
どれだけ人に尽くしても
自分は満たされない。
満たされないから
さらにそれをやってしまう。
そうしたスパイラルに陥っている人が
いたりします。
本人的には、
優しさや真心を持っていても
自分が自分を満たし
自分が自分を愛していなければ
それは人に与えているようで
満たされない心を埋めるエネルギーに
なってしまうので
人に愛を与えることはできません。
キャッツアイは、
自分の本当の欲求
本当の心を見つめ
まずは自分を愛し
自分を満たし
自分中心で物事を考え
自分軸で生きること
ブレない自分を創ることが
まずは大事で
それができてはじめて
人を愛し
人を手助けできるようになると
教えてくれる宝石です。
猫のように
自分が心地いいと思うこと
自分主体となり
自分を生きること。
人に媚びを売るのではなく
素直に自分がそうして欲しい時には
人に甘え
必要ない時は距離を置き
自分主体となった人間関係を築くこと。
そもそも
自分の世界は自分が中心であり
自分が見ている世界は
自分のフィルターを通して見ている世界。
あらためてそこに気づき
自分の人生の主役
自分の世界の中心として
自分を置くことの大事さ
自分の目で
しっかりと自分を見ること
自分の真実を見通す目を持つことが
まず大事だということを
伝えています。
まずは自分を見て
自分を感じ
自分を満たして
そこからすべてを始めましょう。
まずは自分。
自分を見ましょう。
●心理的テーマ
・自分を見る
・真実を見極める
・真理を追究する
・善悪などのジャッジメントをはずす
・自分主体
・自分軸を持ち自分主体で生きる
・優しさの本質を知る
・本当の思いやり
・自分を生きる
・自立
●宝石データファイル
鉱物名 | クリソベリル (金緑石) |
結晶系 | 斜方晶系 |
化学組成 | ベリリウム・アルミニウム酸化物 |
硬度 | 8.5 |
鉱物学的注意事項あれば |
●お手入れ
やわらかい布で拭く
ぬるま湯、水での洗浄
ぬるま湯に石鹸をとかした石鹸水で洗浄
超音波洗浄器