●宝石プロフィール

 
 

さんごは、さんごポリープという、
海洋性動物の残存骨格から出来ています。
さんごは、成長するに従って、
枝状になり、
ついには、サンゴ礁や、環礁を作ります。

また、普通のさんごは
6本の触手を持っていますが、

宝石に使われるさんごは、
8本の触手を持っています。

さんごの多くは、
赤、ピンク、白、青を呈する
炭酸カルシウムが主成分ですが、

黒や金色のさんごは
コンキオリンという角質の物質から
できています。


さんごの中でも、
最高の色といわれるさんごは、
淡いピンクで、
「エンジェル・スキン」と、
言われています。

日本では、
「ぼけの花」の、
花びらの色に似ているので、
「ぼけさんご」と、いいます。

また、
ピンクのさんごのことを、
「本ぼけ」と言い、
赤い色のぼけたさんごを
「赤ぼけさんご」と使い分けたりします。

さらに、
真っ赤なさんごを、
「血赤さんご」といい、
これもまた価値の高いものと
されています。

 
 
 
 

●宝石ストーリー

 
 

古代から、「船乗りの護符」として、
海を安全に渡り、暴風雨をさけ、
船酔いを防ぐと、いわれてきました。

船乗りの護符から、
人生を航海とたとえて
船乗りの護符としてのさんごが
人生の旅路を護る護符という意味を
持つようになり、
子供の将来、
成長していく際、
人生の航海を
様々な苦難、荒波から守る護符
安全を守る護符とされてきました。


また、
さんごの主成分に
カルシウムが含まれていて、
子供の成長に必要な
ミネラルが含まれていたり
人生の航海のお守りでも
あることから

親が子に最初に贈ると良い宝石と
いわれています。

ちなみに
日本では
室町時代頃から
かんざしや帯止めに加工したさんごを、
母から娘へと受け継いでいたようです。

 


中国の詩仙、李白の詩の中には、
「海底より2つの玉が出る。
それはお城と引き換えにしてもいいくらいのものだ」
という意味の一節がありますが、
この2つの玉とは、
真珠とさんごのことです。


中国やアラビアなどでは、
お祈りのときの数珠として使われており、

 

また、日本では
古来から
「七宝」の一つとされ、

身分の高い僧侶や、
権力階級だけが持つ
最高の数珠として、
さんごを使用してきました。


歌舞伎の創始者、出雲の阿国は、
水晶の数珠を大切に持っていましたが
ある時、
徳川家康の次男、結城(松平)秀康に、
舞を見せる機会があり
自分が持っていた
地赤さんごの数珠を、
阿国に贈ったと、いわれています。

 

ギリシャ神話では、
ペルセウスが退治した
髪の毛が蛇でできていて、
その姿を見たものは石になるという怪物
メドゥーサの首をはねた時に
したたり落ちた血が、
さんごになったといわれています。


アンデルセンの童話の中にも、
海の底の、そのまた一番深い底には、
人魚の王様のお城が建っていて、
お城の壁は、さんごで築いてあり、
そこにはめられた細長い窓は、コハク、
屋根は貝殻でふいてあると、されています。

 
 
 

●癒しと活用法

 
 

さんごは海の宝石。
そして、
個体が結びついて触手を伸ばし
サンゴ礁、環礁となることで
ともに大きく成長していくことから、

古代の人々は、
さんごが体のバランスをとり、
感情と心をリラックスさせ、
強く安定した性格を促すとしていました。


赤いさんごは、
自分にとって好ましくない
エネルギーを崩す力があり、
魔除け的な力を持つとされたり、

肉体的な面では、
生命エネルギーの赤い色から
体の発育を強める働きがあると
されています。


オレンジ色のものは、
第二チャクラと関係し、
自分に満ち足りない
気持ちを持っている人の、
気持ちを和らげると
いわれています。


白やピンクのものは、
行動を一点に絞る助けとなり、
まとめる力を補うとされています。


さらに、どの色のさんごも、
体力をサポートしてくれ、
一日の緊張を解いてくれると
されています。

 

精神的にも
肉体的にも
リラックスと安定
安心のエネルギー
守りと癒しのエネルギー
海のエネルギーを持つさんご。


さんごを通じて
海のエネルギーを感じ
自然とともに生きている自分を感じ
生きてここにいる自分の存在を
感じながら
毎日を過ごしてみてください。

 

 
 

●ジュエルメッセージ

 

「One of all. All of one. 一つはすべて。すべては一つ。
自分は自分として存在し、宇宙と一つのハーモニーを奏で、響きあいましょう」

さんごは個体で生まれてきますが
成長していく過程で
触手を伸ばし、
一つの大きなコロニーを創り上げていきます。

自分は自分として
個を生きながらも

たくさんの人と関わり
たくさんの命と関わり
たくさんのものに支えられ
支え合い
連鎖しあい、
つながりあって生きています。

自分は自分として
個を確立しながらも

周囲と協調しあい
助け合い
支え合い
活かし
活かされていく。


一人は分断された「個」ではなく
「個」として確立し
存在しながらも

一つの大きな社会
自然
宇宙の中で生きています。


自分が自分であること
自分が自分と調和することが

そのまま周囲と調和し
ともに生きることにつながっています。


自分という「個」を生き
自分を発揮することが
自分を活かすことでありながら

周囲を活かし
周囲を活かすことでもあるのです。


自分を活かし
周囲を活かす。


自分は自分として存在し、
宇宙と一つのハーモニーを奏でる
一員として存在し

宇宙と一つに響きあう
そんな自分でありましょう。

 

 

 

●心理的テーマ

 

☆赤、ピンクのさんご
・肉体的なエネルギーの強化
・生命エネルギー
・今、ここに生きている自分の再確認
・自己の存在感

☆白、青のさんご
・浄化、クリアリング
・禊祓い
・自信、自己信頼
・自分に正直に生きる


☆黒や金色のさんご
・ユニークな存在
・個性を活かす
・自分を認める
・物事を極める
・自分を発揮する
・自己研鑽

 

 

 

 

●宝石データファイル

 
 
鉱物名 さんご(珊瑚) コーラル
結晶系 三方晶系
化学組成 炭酸カルシウム、またはコンキオリン
硬度 3
鉱物学的注意事項あれば 熱や酸に弱い
汗や紫外線に弱い
 
 
 
 

●お手入れ

身に着けた後は必ずやわらかい布で拭く
ぬるま湯、水での洗浄(長時間浸さない)
ぬるま湯に石鹸をとかした石鹸水で洗浄(長時間浸さない)
すぐに乾いたやわらかい布で水分を拭く
超音波洗浄は避ける
やわらかいので傷つけないように柔らかい布でくるんだり
個別にジュエリーケースに入れて、他の宝石とは別に保管する。

 

 

●その他