●宝石プロフィール

 
 

スピネルは、
ルビーやサファイア(コランダム)の主成分である、
酸化アルミニウムに、酸化マグネシウムが加わって
結晶した複合化合物で、
ルビーやサファイア(コランダム)と成分が似ています。

また、酸化化合物という形としては、
キャッツアイやアレクサンドライト(クリソベリル)に
似ています。


スピネルは、普通、
花崗岩や、変成岩中に産し、
ルビーやサファイア(コランダム)と一緒に
産出することが多く、
赤・黄・緑・青・紫・オレンジ・ピンク・黒など
サファイア同様に、様々な色があります。


また、
外観上、赤いスピネルは
ルビーと非常によく似いてるため、
古代から、ルビーとされてきた宝石が、
実はスピネルだった。ということが
判明した宝石が数多くあります。

というのも、
スピネルの赤とピンクの色は、
ルビーと同じ酸化クロムに起因し、

青い色のスピネルは、
サファイアと同じ鉄分に起因することから、
色がかなり酷似しているのです。

他に、灰青色から黒のスピネルに
4条や6条のスターが出る
スピネルも見つかっており、
スター・スピネルと呼ばれています。

スピネルの名前は、
ピラミッドを二つ、
底辺であわせたような双晶形の結晶が、
尖っていることから、
ラテン語で「棘(とげ)」を意味する
「spina」からきた、という説と、
ギリシャ語で「閃光」を意味する
「spark」からきた、と言う説があります。

和名でいうと、尖晶石(せんしょうせき)


また、スピネルは
レッドスピネル、イエロースピネル
ブルースピネルなど
色名+スピネルで呼ぶ以外に
色によって様々な呼び名があります。


赤いスピネルは、「バラス・ルビー」と呼ばれ、
最も古いルビーの産地
「Balascial」に由来すると、いわれています。

オレンジがかった黄色、
オレンジがかった赤色のスピネルは、
フランス語で「小さなルビー」を意味する
「ルビセル」と呼ばれています。


他に、
オレンジがかった赤いスピネルを、
「フレームスピネル」

淡いレッド、パープルのスピネルを、
「ローズスピネル」

ほぼブラックのスピネルを、
「セレオナイト」や「プレオナイト」と言い、

ブルーのスピネルを、
「コバルトスピネル」と、呼びます。

 
 
 
 

●宝石ストーリー

 

スピネルは、ルビーやサファイアと一緒に産出されることが多く、
また色も酷似しているため、
よくルビーやサファイアに間違われてきました。

実際に、
歴史上、大粒のルビーとされてきた宝石は、
ほとんどがスピネルでした。

「黒太子(ブラックプリンス)ルビー」と「ティムール・ルビー」
イギリスの皇太子、エドワード三世が、
ナエラのスペイン王に味方し、
その功績のお礼として差し出されたルビーは、
後にスピネルだったことが判明しました。

そのスピネルは、エドワード三世が、
いつも黒い甲兜をつけて
戦争にあけくれていたことから、
「黒太子(ブラックプリンス)ルビー」と呼ばれ、
その後、エドワード五世が、
この石とともに戦場に出掛け、
無事に生還してから、
英国代々の王女の戴冠式に使われる王冠に飾られ、
現在もロンドン塔に展示してあります。

ちなみに
イギリス王室では、
代々「ルビー」と信じてきたこと
「黒太子(ブラックプリンス)ルビー」という
呼び名がついていることから、
英国王室発行の解説書には、
スピネルと判明した今でも、
「ルビー」と書いてあるそうです。

ちなみに、
そのレッドスピネルの大きさは、170カラットあり、

また、エリザベス女王によって、所有されていた、
「ティムール・ルビー」と呼ばれている宝石も、
352カラットのレッドスピネルでした。


とはいえ、
良質なスピネルは、模倣したルビーより稀で、
希少性がある貴重な宝石であり、
決してルビーの代役ではありません。


完全な結晶体で、
しかも、結晶面がきれいな光沢面で産出されたスピネルは、
「エンゼルカット」といわれ、珍重されたそうです。

 

 
 
 
 

●癒しと活用法

 
 

スピネルは、失いかけた希望をとり戻してくれる宝石。
もう一度、トライしようとする希望を持たせて、
再挑戦する気持ちを起こしたり、
別のことに挑みたいという気持ちを起こして、
新たな挑戦をするための、エネルギー源となってくれます。

その時には、胸の少し下のあたりにくるように、
ペンダントとして身につけると、
挑戦したいという意志を目覚めさせて、
さらにそのための動機づけをしてくれます。

 
 

●ジュエルメッセージ

「自分を信じて、前へと進みましょう。
思い切って踏み出した一歩が、未来に風穴を開けます。」


スピネルは、結晶が尖った宝石。
思い切って踏み出す勇気が、未来に風穴を開けて
次なる一歩を踏み出しやすくするように、
エネルギーの的を絞り、瞬発力と、勢いのある行動へと
つなげていく手助けをするのが得意です。

勢いをつけて、一歩を出し、その足に重心をかける。
片方の足に重心をかけると、反対の足が自由になり
その足で、さらに一歩を踏み出す。
そして、踏み出した足に重心をかければ、
さらなる一歩が出る。

そうやって、最初に勢いをつけた一歩が
次なる一歩、さらなる一歩へと、つながっていき
それが自分の未来へとつながって、
それがそのまま自分の人生を創るということへと
つながっていくのです。

スピネルは、その最初の一歩を出す際に
勢いをつけて背中を押し、
その後も前進していけるよう
歩みを止めないように、
持ち主のそばで、常に応援し続ける宝石、
なのです。

 

 

 

●心理的テーマ

 

・一歩を踏み出す
・勇気
・前進
・チャレンジ
・前向き
・自己実現
・可能性をひらく

 

 

 

 

 

●宝石データファイル

 
 
鉱物名 スピネル
結晶系 等軸晶系
化学組成 マグネシウム・アルミニウムの酸化物
硬度 8
鉱物学的注意事項あれば  
 
 
 
 

●お手入れ

やわらかい布で拭く
ぬるま湯、水での洗浄
ぬるま湯に石鹸をとかした石鹸水で洗浄

音波洗浄器やスチームクリーナー(フラクチャー充填処理されてないもの)

 

●その他