●宝石プロフィール
ジルコンは、
花崗岩の中に普通に見られる石の中でも、
比較的稀な性質を持った宝石で、
磨くとダイヤモンドに迫る美しい宝石となります。
通常、ジルコンは
無色透明をはじめ
含有物により、黄色、オレンジ、青、
赤、褐色、緑などの色があります。
無色のジルコンは、
光学的に屈折率が高く
光の分散がよいので、
透明なものは
美しいファイアを放ちます。
ダイヤモンドの代用として
見本にセットされることが
ありますが、
ジルコン同様に
ダイヤのイミテーションに
使用されている
合成石の
キュービックジルコニアとは違います。
ジルコンとは、アラビア語で
「金色」を意味する「zargoon」
アラビア語でバーミリオン(朱色)を指す
「zarqun (zerquin)」から、きている
アラビア語で「青い」を意味する
zurq (複数形は zurqun)など
様々な説があります。
また、ジルコンの別名を
ヒヤシンスと言い、
和名も、
風信子(ヒヤシンス)鉱、
風信子(ヒヤシンス)石と言います。
通常、ジルコンは
無色透明をはじめ
含有物により、黄色、オレンジ、青、
赤、褐色、緑などの色があり
色によって、
ヒヤシンス以外にも、
呼び名がついていたりします。
赤や褐色のジルコンは、ヒヤシンス。
黄色いジルコンは、リグール。
オレンジ色のジルコンは、ジャシンス。
緑系の石はジャーゴンなど。
●宝石ストーリー
2001年にオーストラリア西部
ジャックヒルズで発見されたジルコンは、
44億年前に
地中で冷えて結晶化したものであることが
裏付けされ
現在知られているなかで、
世界最古の鉱物とされています。
また、
ジルコン中のウラン、トリウム、鉛の同位体比を
分析することで、高精度の年代測定が可能で、
トリウム・鉛法の放射年代測定の対象鉱物として、
岩石の年代測定にも使われています。
ブルージルコンは、
英国ビクトリア朝時代の特別な愛好品と
されていました。
また、ジルコンの別名、
ヒヤシンスという名は、
ヒヤシンスの花からきていると
言われていますが、
これは、
18~19世紀のヨーロッパで、
黄~橙色系の宝石が流行した時期があり、
宝石商は、
当初、東方から入ってきた
黄~橙色系をした宝石の総称として
ヒヤシンスと呼んでいましたが、
後に黄~橙色系のジルコンだけを
ヒヤシンスと呼ぶようになったそうです。
ちなみに、
花のヒヤシンスは、
ジルコン同様に、東方、
オスマン帝国で栽培され、園芸化された花であり、
東方からきた黄色い花のヒヤシンスの名で、
同じく東方からきた宝石、ジルコンを
ヒヤシンスと呼ぶようになったのかもしれません。
また、ヒヤシンスという名前は、
ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来し、
同性愛者であったヒュアキントスは、
両性愛者であり、
詩歌・医術・芸術をつかさどる神、アポロン
(のちに太陽神とされる)と一緒に
円盤投げをしていたところ、
二人の楽しそうな様子を見ていた西風の神ゼピュロスが、
やきもちを焼いて、意地悪な風を起こし
その風によって、アポロンが投げた円盤の軌道が変わり、
ヒュアキントスの額を直撃し、
ヒュアキントスは
アポロンの必死の治療もむなしく
大量の血を流して亡くなってしまいました。
ヒヤシンスは
この時に流れた大量の血から生まれたと、
いわれている花です。
花言葉は「悲しみを超えた愛」
●癒しと活用法
ジルコンは、
光学的に屈折率が高く、複屈折することから、
持ち主に必要なエネルギーを吸収して保持し、
それによって
持ち主自身を表現する働きをしてくれると
いわれています。
また、
外部から吸収したエネルギーによって、
心のバランスをとり、
感情を乱している時は安定剤となってくれ、
ヒーリングの働きをしてくれたり、
ジルコンのやさしくやわらかい輝きが、
平和な気持ちを呼び起こし
平和で穏やかな気持ちは、人と争うことよりも、
人を思いやる心を自然と呼び起こしてくれたりもします。
ジルコンは、光をやさしく受け止めることで、
それぞれの心に安定した平和な気持ちを呼び起こし、
それによって調和をはかり、
受けた光をやさしく反射することで、
人と人とを調和させ、
穏やかで平和な気持ちへと導いてくれるジュエリー。
ジルコンは、
身に着けていると、知恵、名誉、冨をもたらすと
いわれていますが、
金色のジルコンが、そうしたイメージを
彷彿とさせるから、かもしれません。
他に、
色によって、様々な活用法があり、
赤や褐色のジルコン、ヒヤシンスは、
感情を和らげ、眠りを誘い、
食欲を回復させてくれる、と
いわれていますが
これもまた
赤は活性化、食欲増進
褐色が安心、安定をイメージさせ
黄色いジルコン、リグールは、
欲求を満たしてくれるといわれますが
これもまた
黄色が喜びの色であり
渇望を満たす心理的な色の作用に
よるものだと思われます。
オレンジ色のジルコン、ジャシンスは、
「天からの守り石」と呼ばれ、
旅人の安全を守り、
行く先々で丁寧に迎えられるように、
手助けをしてくれたり
心に傷を負っている人には、
苦しみを和らげてくれるとも
いわれています。
オレンジ色は、社交性の色であり
温かみのある橙色が、
心の傷を和らげてくれる癒し効果を
発揮してくれる心理作用があり
古来から
宝石は色のパワーを凝縮したものだと
言われていますが
そうした色の持つパワーが
心理的作用として働いてくれるのだと思います。
●ジュエルメッセージ
「あなたは、かけがえのない地球の一員です。
地球の一員として、地球とともに生きましょう。」
ジルコンは、
大陸移動、小惑星の衝突の中で、
他の岩石や鉱物が溶けて組成が変わっても
ジルコンだけは変わらずにあり続けた
地球とともに生きてきた宝石です。
そして、
私達の生命もまた
地球に小惑星が衝突し、
生命の75%が消滅した中にあっても
生き延びて、
さらに進化繁栄してきた存在です。
地球という生命体の中で生きている私達。
私達は地球と運命共同体。
44億年も前から存在していたジルコンと
今、ここで出合う奇跡。
宝石は、地球の奥深くで生まれ、
地殻変動により、地表近くに現れて
私達と出合いますが
ジルコンは、その中にあって
地球の記憶を留めた宝石であり
太古の地球のプリミティブな
周波数を留めた宝石であり
そのやさしい輝きは、
母なる地球の偉大なパワーを秘めた
宝石です。
地球は、ジルコンを通じて
私達人間とともにあることを
私達に伝えるとともに
私達人間と地球とが一体となって
ともに生きることの大切さ
必要性
地球の一員としての自覚を持ち
地球とともに生きることが
私達にとっても、地球にとっても
進化成長していくことができる道なのだと
私達に教えてくれているのです。
●心理的テーマ
☆クリア
・クリアリング
・慈愛
・思いやり、やさしさ
・ワンネス
☆赤~褐色
・活性化
・静かな情熱
・安定、安心
☆黄色
・喜び、歓び
・幸福感
☆オレンジ
・自他
・社会性
・柔和
・穏やかさ
☆青
・安定した自己表現
・クリエイティビティ
・穏やかな精神
☆緑
・調和した豊かさ
・共生
・ワンネス
・循環
●宝石データファイル
鉱物名 | ジルコン |
結晶系 | 正方晶系 |
化学組成 | ジルコニウムの珪酸塩 |
硬度 | 7.5 |
鉱物学的注意事項あれば |
●お手入れ
やわらかい布で拭く
ぬるま湯、水での洗浄
ぬるま湯に石鹸をとかした石鹸水で洗浄
超音波洗浄、スチームクリーナーは避ける